何の研究をしている研究室なのかと聞かれると、科学の専門家でない方には水素吸蔵合金の基礎研究だと答えるようにしている。もちろんそれで間違いはないのだが、メンタリティーとしては実験物理学者なので、実際にはもっともっと基礎的なことやその手段としての装置開発など広くいろいろなことをやっている。良く言えば興味の幅が広いのだが、悪く言えば気が散りやすい性格で、いろいろなことについ手を出してしまうのをなんとか自制する毎日である。そのようなわけで、専門家相手には何の研究者なのかを説明するのに口ごもってしまうこともある。相手によって使い分けたりもするのだが、最近では40歳に手が届くようになってきたこともあり、そろそろ水素を見るための先端的イオンビーム分析手法の開発だ、とやや腰を据えた応答をするようになってきた。
このサイトでは開発しているイオンビーム分析手法の楽しさを伝えるようにするほかに、広範な興味で行っている一見関わりのない研究群が私の中でどのように繋がっているのかを徐々に書き足していこうと思う。